こんな産後の不調、あなたにも当てはまりませんか?
出産という大仕事を終えて、かわいい赤ちゃんとの生活が始まった——それなのに、自分の体だけがずっと重たいまま。そんなふうに感じている産後のお母さんは、本当にたくさんいらっしゃいます。ネイチャーボディ鍼灸整体院にも、次のようなお悩みで整体を受けにいらっしゃる方が後を絶ちません。
- 抱っこして立ち上がる瞬間、腰に力が入らず「よいしょ」と声が出てしまう
- 授乳や寝かしつけの前かがみ姿勢のあと、腰が伸びずに一瞬固まる
- 夜中の授乳で起きたあと、寝返りのたびに腰が痛くて熟睡できない
- 妊娠前のズボンが入らない、下腹がぽっこり出たままで戻らない
- 尿漏れが気になるのに「産後だから仕方ない」と誰にも言えていない
- 「骨盤矯正に行ったけれど、数日でまた戻ってしまった」
こうした不調を、多くの方が「産後だから仕方ない」「そのうち自然に戻る」と考えて放置してしまいます。ですが、これはとても大事なところなので最初にはっきりお伝えします。骨盤は、放っておいても自動的には元に戻りません。
私はネイチャーボディ鍼灸整体院で、はり師・きゅう師の国家資格を持ち、臨床21年・延べ16万回ほどの施術を通して、たくさんの産後のお母さんの体を診てきました。その経験から言えるのは、産後の腰痛や骨盤の歪みは「気合いや我慢で乗り切るもの」ではなく、体の構造上、当然そうなるべくしてなっている状態だということです。だからこそ、構造を理解して、正しい順番でケアをすれば、整体で変えていける余地が大きい領域でもあります。
この記事では、産後の骨盤と腰痛がなぜ起こるのかを、解剖の言葉を使いながらできるだけ具体的に掘り下げていきます。そのうえで、私が施術で実際にどこを診ているのか、なぜ他院の骨盤矯正では戻ってしまうのか、自宅でできる安全なケアまでお伝えします。世界基準の産後ケアがどういうものなのかも、フランスで国際基準の徒手療法を学んでいる立場から正直にお話しします。
なぜ産後に骨盤が歪み、腰が痛くなるのか——リラキシンから始まる連鎖

ここがこの記事の心臓部です。産後の不調を「骨盤が開いたから」の一言で終わらせず、体の中で何が起きているのかを段階を追って見ていきましょう。
妊娠中、体はリラキシンで「ゆるむ準備」をしている
妊娠すると、卵巣や胎盤からリラキシンというホルモンが分泌されます。このホルモンの役割は、出産のときに赤ちゃんが産道を通れるように、骨盤をつないでいる靭帯をゆるめることです。
骨盤は、左右の寛骨(かんこつ)と、その真ん中にある仙骨(せんこつ)という骨が組み合わさってできています。寛骨と仙骨のつなぎ目が仙腸関節(せんちょうかんせつ)で、普段はほとんど動かないよう、丈夫な靭帯でがっちり固定されています。前側では左右の恥骨が恥骨結合でつながっています。リラキシンは、この仙腸関節と恥骨結合の靭帯をゆるめ、骨盤全体を「開きやすい・動きやすい」状態にします。
つまり妊娠中の骨盤は、意図的に「不安定にされている」わけです。これは出産に必要な、体の見事な仕組みです。
「閉めるホルモン」は存在しない——ここが最大の誤解
問題は出産後です。私が繰り返しお伝えしているのは、「閉めるホルモンは存在しない」ということです。
多くの方が「開くホルモンがあるなら、産後に閉めるホルモンも出て自然に戻るはず」と思っています。ところが、リラキシンで一度ゆるんだ靭帯を、能動的に締め直すホルモンは体にありません。産後、リラキシンの分泌は徐々に減っていき、ゆるんでいた靭帯は再びある程度の硬さを取り戻していきます。しかしそのとき、骨盤がどんな位置・どんな角度で固まるかは、産後の過ごし方しだいなのです。
ゆるんで動きやすい時期に、左右非対称な負担をかけ続ければ、その歪んだ位置のまま靭帯が硬くなって固定されてしまう。これが「産後の骨盤の歪み」の正体です。閉めるホルモンがない以上、放置は「歪んだまま固める」ことを意味します。
なぜ左右非対称に歪むのか——育児動作の連鎖
では、なぜ歪むのか。ここで日常の動作を思い浮かべてください。
赤ちゃんを抱っこするとき、多くの方が無意識に同じ側の腰に赤ちゃんを乗せます。授乳も、いつも同じ側から始める癖がある方が多い。寝かしつけで横向きに寝る向きも決まっている。こうした片側に偏った負担が、靭帯のゆるんだ骨盤に日々積み重なります。
すると、片側の仙腸関節だけ動きが悪くなり、骨盤が捻れます。骨盤の上には背骨(脊柱)が乗っているので、土台である骨盤が捻れれば、その上の腰椎・胸椎もバランスを取ろうとして歪みます。私は動画でも「背骨の土台である骨盤がズレれば、その上の腰や首のカーブがズレていくのは想像できるはず」とお話ししていますが、産後はまさにこの土台から崩れるパターンが典型です。
「支える筋肉」が抜けているから腰が代償する
骨盤の歪みと並んで、もう一つ決定的な問題があります。それはインナーマッスルの機能低下です。
骨盤と腰を安定させているのは、次の3つの筋肉がセットで働く「体幹の圧力タンク」です。
- 腹横筋(ふくおうきん):お腹をコルセットのように一周取り巻く深層の筋肉
- 骨盤底筋群(こつばんていきんぐん):骨盤の底をハンモックのように支え、内臓を下から受け止める筋肉
- 横隔膜(おうかくまく):肋骨の内側にあり、呼吸で上下するドーム状の筋肉
この3つは連動しています。息を吸うと横隔膜が下がり、それに合わせて骨盤底筋と腹横筋が働いて、お腹の中の圧力(腹圧)を保つ。この腹圧が、内側から背骨と骨盤を支える「見えないコルセット」になっているのです。
ところが出産で、この3つが一気にダメージを受けます。経膣分娩では骨盤底筋群が赤ちゃんの通過で大きく引き伸ばされます。帝王切開では、お腹の壁——皮膚・筋膜・腹直筋まわり——を切開するため、腹横筋を含む体幹の筋肉がうまく働かなくなります。さらに妊娠中、大きくなった子宮に押し上げられて横隔膜の動きも制限され、産後も呼吸が浅いままの方が少なくありません。
私が施術の現場で診ていて非常に多いのが、「お腹の圧力が抜けている」産後のお母さんです。腹横筋が使えず腹圧が入らないと、体は腰まわりの表層の筋肉——腰方形筋や脊柱起立筋——を過剰に緊張させて、なんとか上半身を支えようとします。これが慢性的な腰痛の直接の引き金です。腰が痛いのは、腰がサボっているからではなく、支えるべきインナーマッスルの代わりに腰が働きすぎているからなのです。
反り腰・ぽっこりお腹・尿漏れまで、すべて一本の線でつながる
この連鎖はさらに広がります。
腹横筋と骨盤底筋が抜けて腹圧が保てないと、骨盤は前に傾きやすくなり、反り腰になります。反り腰になると、股関節の内側についている腸腰筋(ちょうようきん)——腰椎から股関節をつなぐ、体幹と下半身を結ぶ強い筋肉——が縮んだまま硬くなります。腸腰筋は腎臓の後ろを走っていて疲労や滞りが抜けにくい部位でもあり、ここが硬くなると股関節の動きが落ち、立ち上がりの一歩目で腰が伸びない、といった症状にもつながります。
骨盤が開いて底が抜けたままだと、内臓が下がり(内臓下垂)、下腹がぽっこり出ます。骨盤底筋が支えきれなければ尿漏れが起こる。骨盤の傾きが変われば股関節の向きが変わり、O脚や膝の内側の負担にもつながっていきます。
つまり、腰痛・ぽっこりお腹・尿漏れ・股関節や膝の不調は、バラバラの悩みではなく、「腹圧を保つインナーマッスルが抜けた骨盤」という一つの根っこから枝分かれした症状なのです。腰だけ、お腹だけを見ても解決しないのは、このためです。
慢性の腰痛については、世界的にも見方が整理されてきています。2023年に世界保健機関(WHO)が発表した慢性腰痛のガイドラインでは、薬や手術だけに頼るのではなく、運動療法や徒手療法(手で行う施術)が推奨されています。産後の腰痛も、まさに「体を支える機能を取り戻す」という方向のケアが理にかなっているわけです。
ネイチャーボディ鍼灸整体院で、私が産後の体をどう診ているか
ここからは、私がネイチャーボディ鍼灸整体院で実際にどこを、どの順番で診ているのかをお話しします。産後の整体は「骨盤をボキボキ鳴らして終わり」ではありません。
まず、出産方法と経過を必ず確認する
初回のカウンセリングで、私は必ず帝王切開か経膣分娩か、産後どれくらい経っているか、会陰切開や裂傷の有無、傷の痛みや尿漏れが続いていないかを確認します。これは単なる問診ではなく、施術の優先順位を決める判断材料だからです。
帝王切開の方は、お腹の傷まわりの組織が硬く癒着していることが多く、その癒着が腹横筋の働きを邪魔していることがあります。経膣分娩の方は骨盤底筋のダメージが中心になります。同じ「産後の腰痛」でも、原因の入り口が違えば、触れるべき場所も変わります。
痛い場所ではなく「腹圧が入るか」を診る
産後の方を診るとき、私が特に重視するのが腹横筋・横隔膜・骨盤底筋の連動です。前述のとおり、この3つはセットで落ちるので、1か所が抜けていれば残りも疑います。
息を吐かせながらお腹に触れると、腹圧が入っている人と抜けている人では、明らかに反応が違います。呼吸が浅く、横隔膜がうまく動いていない方は、腰まわりの緊張もなかなかゆるみません。だから私は、腰そのものを揉むより先に、横隔膜を動かし、呼吸で腹圧が入る状態を作ることを優先します。腰の痛みは「結果」であって、原因はお腹の圧力が抜けたことにあることが多いからです。
骨盤だけでなく背骨全体、そして股関節・足首まで見る
骨盤の捻れを整えるときも、骨盤単体では見ません。土台の骨盤が歪めば背骨全体が歪むので、腰椎・胸椎の動き、仙骨のロックがないかを確認します。
さらに、繰り返す腰痛の方では、過去の足首の捻挫が隠れていることがよくあります。昔の捻挫で伸びてしまった靭帯が残っていると、片側だけ体重の乗り方が変わり、それを骨盤・腰でずっと吸収し続けます。産後の左右非対称な負担に、この古傷が重なると歪みが強く出ます。「10代の部活で捻挫した」——本人はもう忘れているようなことが、今の腰痛の背景にあることは、大いにあります。だから私は症状が出ている腰だけでなく、上流(背骨・骨盤)と下流(股関節・足首)のどちらに問題があるのかを見極めていきます。
こうした全身のつながりから体を見る考え方は、私がいまフランスの専門学校で学んでいるオステオパシー(内臓・関節・筋膜を一つのつながりとして捉える国際基準の徒手療法)の視点とも重なります。産後の体は、骨盤・背骨・内臓・呼吸がすべて関わる、まさに「全身のつながり」で診るべき領域です。
施術はソフトに、そして必ずセルフケアとセットで
ネイチャーボディ鍼灸整体院では、産後のデリケートな体にバキバキと強い力を加える整体は行いません。呼吸に合わせたやさしい徒手療法で、横隔膜・骨盤・背骨の動きを引き出していきます。凝り固まりが強い場合や自律神経の乱れが大きい場合は、鍼灸を組み合わせることもあります。鍼灸は、体をゆるめ、めぐりを整えるうえで有効な選択肢だからです。
そして何より大切なのが、施術で整えた状態を維持するトレーニングです。ここは次の章で詳しくお話しします。
なぜ他院の骨盤矯正では戻ってしまうのか
「骨盤矯正に何回も通ったのに、数日でまた元通り」——このお声を、私は本当にたくさん聞いてきました。理由ははっきりしています。
「器」を整えても「支える力」がなければ戻る
骨盤矯正で歪みを整えるのは、いわば傾いた器を正しい位置に置き直す作業です。でも、その器を内側から支える筋肉——腹横筋・骨盤底筋・横隔膜——が抜けたままなら、日常生活の抱っこや授乳の負担で、器はまた傾いてしまいます。
産後の骨盤矯正が「一時的」に終わってしまう最大の理由は、矯正だけで、支える力を戻すトレーニングが抜けていることにあります。私が「骨盤矯正だけでは不十分、筋力回復トレーニングが必須」と繰り返しお伝えするのは、このためです。
これは私一人の主張ではありません。慢性腰痛に対する国際的な整理でも、英国のNICEガイドラインは徒手療法は運動療法とセットで行うことを推奨しています。米国内科学会(ACP)のガイドラインでも、慢性腰痛の初回の対応として運動を含む非薬物療法が挙げられています。2024年に報告された系統的レビューでも、鍼灸に体幹の運動を組み合わせたほうが、鍼灸単独より腰痛の改善が大きかったとされています。「整える」と「鍛える」をセットにするのは、世界的な流れなのです。
「筋肉が偏ったまま鍛える」と、偏りごと固まる
もう一つ、大事な落とし穴があります。「じゃあ自分で腹筋すればいい」と、いきなり起き上がる腹筋運動を始めてしまう方がいます。でも、体の使い方が偏ったまま鍛えると、その偏った使い方のまま筋力がついてしまうのです。反り腰で腹横筋が抜けた状態で表層の腹直筋ばかり鍛えると、かえって腰の反りを強めてしまうこともあります。
だからこそ、まず整えて正しい位置に戻し、次にインナーマッスルを目覚めさせ、それから鍛えるという順番が要ります。この順番を守れる体制が、産後ケアには必要なのです。
「産後だから仕方ない」で片付けられてきた背景
日本では、産後の体の不調が「みんな通る道」として片付けられ、専門的なケアを受ける機会がほとんどありませんでした。私は、施術者は臨床に立ち続けるなら学び続けるのがマストだと考えています。21年やってきた今も、わざわざフランスの専門学校に通っているのは、日本の徒手療法や産後ケアが国際基準にまだ追いついていないと感じているからです。
参考までに、フランスでは産後のリハビリ(骨盤底筋や腹部の機能回復トレーニング)が公的な補助で受けられる仕組みが整っています。産後に「整える」だけでなく「機能を戻す」ことが当たり前になっている国では、高齢になっても尿漏れで悩む方が少ないと言われます。骨盤底筋のケアは、目先の尿漏れやぽっこりお腹だけでなく、何十年も先の健康につながっているのです。ここに、日本の産後ケアが伸ばせる大きな余地があると私は考えています。
自宅でできる、安全な産後セルフケア

ここでは、無理なく自宅で始められるケアをお伝えします。ただし大前提として、帝王切開の方や、産後間もない方、傷の痛みや出血がある方は、必ず産婦人科の許可を得てから行ってください。痛みが出たらすぐに中止してください。
① 呼吸を取り戻す(ドローインの前段階)
まずは横隔膜を動かすことから。仰向けに寝て膝を立て、鼻から息を吸ってお腹をふくらませ、口からゆっくり長く吐きます。吐くときにお腹を軽くへこませる意識を持つと、腹横筋のスイッチが入りやすくなります。10回ほど、力まずに。産後の体で最初にやるべきは、いきなり腹筋ではなく、この「呼吸で腹圧を入れる練習」です。
② 骨盤底筋をそっと引き上げる
息を吐きながら、尿を途中で止めるときのように、骨盤の底を軽く引き上げる意識を持ちます。強く締めすぎず、数秒引き上げて、ゆるめる。これを数回。骨盤底筋は目に見えないぶん意識しづらいですが、腹横筋・横隔膜と連動しているので、①の呼吸とセットで行うと効果的です。
③ 抱っこの左右を意識的に入れ替える
セルフケア以前に、日常の偏りを減らすことが大切です。抱っこや授乳をいつも同じ側でしていないか、意識してみてください。反対側も使うだけで、片側だけに集中する負担がやわらぎます。
④ 座り方を変える
授乳や家事で座る時間が長いお母さんは、脱力して背中を丸めて座り続けると、骨盤が後ろに倒れて腰に負担が集中します。坐骨(お尻の下の硬い骨)で座面を捉え、お腹を軽くへこませて座る——これだけで腹圧が入り、腰の負担が変わります。
これらはあくまで「自分でできる範囲の下地作り」です。歪みそのものを整えたり、抜けた筋肉を正しく鍛える段階になると、独学では難しく、やり方を間違えると偏りを強めてしまいます。そこは整体や専門的な指導と組み合わせるのが安全です。
こんなときは、まず医療機関へ
産後は体が大きく変化する時期なので、次のようなサインがあるときは、整体や自宅ケアの前に、必ず医療機関を受診してください。
- 発熱を伴う強い腹痛や、悪露(おろ)の量が急に増える・悪臭がある
- 足のしびれ・麻痺、力が入らない、排尿・排便のコントロールができない
- 安静にしていても強く痛む、夜間に痛みで目が覚めて眠れない
- 帝王切開・会陰切開の傷が赤く腫れる、膿が出る、痛みが増していく
- 気分の落ち込みが強く続く、眠れない・涙が止まらない(産後うつの可能性)
こうした症状は、産婦人科・内科・整形外科など医療機関の診察が必要な領域です。緊急性が高い場合は救急も迷わず利用してください。整体・鍼灸は、医療機関で「大きな問題はない」と確認できたうえで、そこでは扱いにくい機能的な不調(動きや使い方の崩れ)を補う立場です。医療を否定するものでは決してありません。
産後の体を、ここから一緒に立て直していきましょう
産後の腰痛や骨盤の歪みは、「産後だから仕方ない」ものではなく、リラキシンでゆるんだ骨盤に、抜けたインナーマッスルと片側に偏った負担が重なって起こる、構造的な結果です。だからこそ、構造を理解して、整える・目覚めさせる・鍛えるを正しい順番で行えば、変えていける余地の大きい領域でもあります。
ネイチャーボディ鍼灸整体院では、やさしい整体で骨盤・背骨・横隔膜の動きを引き出し、必要に応じて鍼灸を組み合わせ、そのうえで一人ひとりの体に合ったトレーニング指導までをセットで行っています。青葉台で開業して14年、完全予約制で、お子さん連れでも安心して通っていただける環境を整えています。
もし施術者を選ぶときに迷ったら、一つだけお願いしたいことがあります。日本ではオステオパシーやカイロプラクティックに国家資格の制度がなく、学んでいなくても名乗れてしまうのが実情です。だからこそ、その施術者がどこで、どれだけ学んでいるのかを確認していただきたいのです。私はいまも、フランスの専門学校で国際基準のオステオパシーの課程を学び続けています。産後の大切な体を預けるのですから、ぜひ「誰に診てもらうか」を大事にしてください。
腰の痛みも、ぽっこりお腹も、言い出せなかった尿漏れも、一つの根っこでつながっています。その根っこから、一緒に立て直していきましょう。
この記事を書いた人
山﨑由浩/ネイチャーボディ鍼灸整体院 代表。はり師・きゅう師(国家資格)。臨床歴21年・延べ16万回の施術実績・青葉台での開業14年。日本と中国で東洋医学を21年実践してきました。
現在は、フランスの専門学校で国際基準の徒手療法であるオステオパシーの課程を学んでいる在学中の身であり、国際ライセンス(D.O.)はまだ取得しておらず、取得を目指して学び続けている段階です。
なぜ21年も臨床をやってきた今、わざわざフランスまで学びに行くのか。それは、日本の徒手療法や産後ケアが、国際基準にまだ追いついていないと現場で痛感しているからです。産後のお母さんが「仕方ない」と我慢し続けている現実を、少しでも変えたい。臨床に立ち続けるなら、学び続けるのはマストだと考えています。この「学び続ける姿勢」は、この記事で最新の研究や海外の仕組みまで踏み込んでお伝えした姿勢と、地続きのものです。
世界基準の徒手療法 × 日本が世界に誇る鍼灸で、あなたの産後の体を支えます。
参考文献

- World Health Organization. WHO guideline for non-surgical management of chronic primary low back pain in adults in primary and community care settings. 2023. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK599216/
- Qaseem A, et al. Noninvasive Treatments for Acute, Subacute, and Chronic Low Back Pain: A Clinical Practice Guideline From the American College of Physicians. Ann Intern Med. 2017. PMID: 28192789
- National Institute for Health and Care Excellence (NICE). Low back pain and sciatica in over 16s: assessment and management. NG59. 2016 (updated 2020). https://www.nice.org.uk/guidance/ng59
- Acupuncture combined with core muscle exercises for chronic nonspecific low back pain: a systematic review and meta-analysis. Front Med. 2024. https://www.frontiersin.org/journals/medicine/articles/10.3389/fmed.2024.1372748/full
- Mu J, et al. Acupuncture for chronic nonspecific low back pain. Cochrane Database Syst Rev. 2020.
よくある質問(Q&A)
Q. 産後、いつから整体や骨盤ケアを始められますか?
一般的には産後1か月健診で経過に問題がないと確認できてからが目安です。経膣分娩の方は1か月健診後、帝王切開の方は傷の回復に個人差があるため、医師の許可を得てから始めてください。ネイチャーボディ鍼灸整体院では、出産方法と経過を必ず確認し、まだ早いと判断すれば無理に施術はせず、その時期にできる呼吸のケアなどをお伝えします。焦って早く始めるより、安全に始めることを優先してください。
Q. 産後どれくらいまでにケアすれば間に合いますか?もう1年以上経ってしまいました。
産後半年ごろまではリラキシンの影響が残り骨盤が動きやすい時期で、この間のケアは変化が出やすいのは事実です。ただ、1年以上経った方が手遅れというわけではありません。骨盤の位置は靭帯だけでなく、腹横筋・骨盤底筋といった筋肉の支えでも決まります。時間が経っていても、抜けた筋肉の機能を取り戻していけば体は変わります。実際、出産から年数の経った方も整体とトレーニングで改善しています。諦める必要はありません。
Q. 骨盤矯正だけを受けたいのですが、トレーニングは必須ですか?

骨盤矯正だけでも一時的に楽にはなりますが、支える筋肉が抜けたままだと日常の抱っこや授乳の負担で戻りやすくなります。慢性腰痛の国際的なガイドラインでも、徒手療法は運動とセットで行うことが推奨されています。ネイチャーボディ鍼灸整体院では「整える」と「鍛える」をセットでご提案していますが、体の状態や生活に合わせて無理のない範囲から始めますので、まずはご相談ください。
Q. 帝王切開でした。骨盤は開いていないので産後ケアは不要ですか?
そんなことはありません。帝王切開では骨盤の開きは経膣分娩ほどではなくても、お腹の壁を切開しているため腹横筋を含む体幹の筋肉がうまく働かなくなります。腹圧が抜けると腰が代償して痛みが出ますし、傷の癒着が周囲の動きを制限することもあります。帝王切開の方はむしろ腹部のケアが優先です。骨盤矯正という枠にとらわれず、体幹の機能回復として捉えてください。
Q. 尿漏れも整体で相談していいのでしょうか?
はい、遠慮なくご相談ください。尿漏れは骨盤底筋群の機能低下によるもので、腰痛やぽっこりお腹と同じ根っこ——腹圧を支えるインナーマッスルの問題——から来ていることが多いです。恥ずかしくて我慢している方が本当に多いのですが、放置せず早めにケアするほど変わりやすい部分です。骨盤底筋の使い方の指導も含めて対応します。
Q. 何回くらい、どのくらいのペースで通えばいいですか?
状態によって個人差がありますが、産後の場合は最初の数回を1〜2週間おきに受け、体が整ってきたら間隔を空けていくことが多いです。ネイチャーボディ鍼灸整体院は「卒業」を目標にしており、良い状態を保てるようになれば施術の優先順位は下がり、ご自身のトレーニングが中心になります。無理に通院を勧めることはしません。初回の検査でおおよその見通しをお伝えします。
Q. 子どもを預けられません。連れて行っても大丈夫ですか?

はい、大丈夫です。ネイチャーボディ鍼灸整体院ではお子さん連れでも安心して通っていただける環境を整えています。産後ケアは時間との勝負でもあるので、「預け先がないから」と後回しにしないでいただきたいのです。まずはお子さんと一緒に来られる旨をご予約時にお伝えください。
Q. 市販の骨盤ベルトを使えば矯正の代わりになりますか?
骨盤ベルトは、ゆるんだ骨盤を外から一時的にサポートする役割はあり、産後すぐの不安定な時期には助けになることもあります。ただし、ベルトは「支える力」を筋肉に育ててくれるわけではありません。外せば元に戻りやすいですし、頼りきると自前のインナーマッスルがますます働かなくなることもあります。ベルトは補助と考え、最終的には自分の筋肉で支えられる体を目指すのが本筋です。
Q. 産後の腰痛に鍼灸は効きますか?
鍼灸は、凝り固まった筋肉をゆるめ、めぐりを整えるうえで有効な選択肢です。慢性腰痛については、世界保健機関(WHO)のガイドラインでも鍼灸が推奨されています。産後の腰痛でも、緊張が強い場合や自律神経の乱れが大きい場合に、整体と組み合わせて鍼灸を使うことがあります。髪の毛ほどの細い鍼を使い、体の状態に合わせて力加減を調整しますのでご安心ください。
Q. 昔からの足首の捻挫と産後の腰痛は関係ありますか?
関係していることは、大いにあります。過去の捻挫で伸びてしまった靭帯が残っていると、片側だけ体重の乗り方が変わり、それを骨盤や腰がずっと吸収し続けます。そこに産後の左右非対称な負担が重なると、歪みが強く出ます。ご本人は「もう治った古傷」と思っていても、検査で足首の可動域を見ると左右差が見つかることがよくあります。だからネイチャーボディ鍼灸整体院では、腰だけでなく股関節・足首まで含めて全身を診ていきます。







