お尻から足にかけてのズキズキ・しびれ、こんな状態で悩んでいませんか

お尻の奥がズキズキ痛む。太ももの裏から、ふくらはぎ、足先までしびれが走る。長く座っていられず、映画も新幹線も、デスクワークさえつらい——。そんな状態で「坐骨神経痛 お尻 ツボ」と検索し、環跳(かんちょう)や殷門(いんもん)といったツボを、指やゴルフボールで必死に押した経験はありませんか。
この記事を読んでくださっているあなたは、次のようなお悩みのいくつかに心当たりがあるのではないでしょうか。
- お尻から太もも、ふくらはぎ、足先にかけて痛みやしびれがある
- 長時間座っていると痛くなり、立ち上がる瞬間がつらい
- ツボを押すとその場は楽になるが、数時間〜翌朝には戻ってしまう
- お尻が冷たく、固まっている感じがする
- 歩くのがつらく、休み休みでないと長く歩けない
- 病院でレントゲンやMRIを撮ったのに「異常なし」と言われた
- 湿布や痛み止めを続けているのに、あまり変わらない
これらは、坐骨神経痛でご相談にみえる40〜60代の方が、実際によく口にされる訴えです。
先に、この記事でいちばんお伝えしたいことを書きます。坐骨神経痛は、原因が一つではありません。だからこそ「どこで神経が締めつけられているのか」を見極めることが、遠回りに見えて、いちばんの近道になります。 お尻のツボを押すこと自体が悪いわけではありません。ただ、ツボは「点」であり、坐骨神経の痛みは腰から足先まで走る「線」の症状です。点を押すだけでは線の痛みが戻りやすいのには、はっきりした理由があります。
この記事では、鍼灸師として臨床21年・延べ16万回の施術に携わってきた立場から、坐骨神経痛がなぜ起きるのかを解剖学的に掘り下げ、私が整体の現場で実際にどこを見て、どの順番で施術を組み立てているのかを、包み隠さずお話しします。整体・鍼灸・オステオパシーそれぞれの役割と、自宅でできる安全なケアまで、順を追って解説していきます。
なぜお尻のツボ押しだけでは戻ってしまうのか——坐骨神経が通る「道」で起きていること
坐骨神経痛を理解するには、まず坐骨神経という「配線」がどこを通っているのかを知る必要があります。ここが、この記事の心臓部です。少し専門的になりますが、あなたの痛みの正体を掴むために、体の内側をのぞいていきましょう。
坐骨神経は「人体で最も太く、最も長い神経」
坐骨神経は、腰椎(腰の骨)の下部から仙骨にかけての神経根(L4〜S3あたり)が束になって作られる、人体で最も太く長い末梢神経です。鉛筆ほどの太さがあり、骨盤の後ろからお尻の深部を通り、太ももの裏を下って膝の裏で二手に分かれ、ふくらはぎから足先まで到達します。
つまり坐骨神経痛とは、「この長い配線のどこかで、神経が刺激・圧迫を受けている状態」を指す言葉です。ここで大事なのは、坐骨神経痛は病名ではなく「症状の名前」だということ。頭痛が病名ではないのと同じで、「なぜ坐骨神経が刺激されているのか」という原因は、人によってまったく違います。
原因は大きく2つに分かれる
坐骨神経が刺激される原因は、大きく2つに切り分けられます。この切り分けが、すべての出発点になります。
【1】背骨(脊柱)に原因があるケース
椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、腰椎すべり症など、背骨そのものに問題があって神経根が圧迫されているケースです。実は、坐骨神経痛の原因としてはこの椎間板由来が最も多く、報告では坐骨神経痛の最大85%を占めるとされています。このケースはレントゲンやMRIで原因がはっきり分かることがほとんどで、まずその部分に対する医療機関の判断が優先されます。まだ画像検査を受けていない方は、そこからがスタートです。
【2】画像では大きな問題が見つからないケース
検査上、背骨にそこまで大きな問題がないのに、坐骨神経痛が続いている。このケースが、実際にたくさんあります。この場合は、坐骨神経が通り道のどこかで筋肉や膜に締めつけられている可能性が高くなってきます。ここが、整体をはじめとする徒手療法(手で行う施術全般)の出番になる領域です。
「お尻のトンネル」で何が起きているのか
坐骨神経は、お尻の深い場所にある「梨状筋(りじょうきん)」という筋肉のあたりを通り抜けます。ここが、いわゆる「お尻のトンネル」です。座りっぱなしの生活や不自然な立ち姿が続くと、この梨状筋が硬くこわばり、その下を通る坐骨神経を締めつけてしまうことがあります。日本では、これを「梨状筋症候群」と呼ぶことが知られています。
お尻のツボである環跳や殷門は、ちょうどこの神経の通り道に位置しています。だからツボを押すと、こわばった筋肉が一時的にゆるみ、血流が良くなって「その場」は楽になります。東洋医学でいうツボは、機能的にみれば「筋肉のこわばりが反応として出やすい点」「血流を促しやすい点」と説明できます。ツボ押しが無意味なわけではないのです。
では、なぜ戻ってしまうのか。それは、梨状筋が硬くなっているのは、梨状筋だけのせいではないことが多いからです。ツボ押しは「今、締めつけている筋肉」を一時的にゆるめますが、「その筋肉をなぜ硬くさせているのか」という上流の原因には手が届きません。火災報知器が鳴ったときに警報のスイッチだけ切っても、火元が残っていれば何度でも鳴り出す——これと同じ構造です。
「梨状筋をほぐせばいい」という単純な話ではない
ここで、国際的に用いられている、より広い枠組みを紹介します。深殿部症候群(Deep Gluteal Syndrome/DGS)という考え方です。
これは「椎間板が原因ではなく、骨盤の外・お尻の深い部分で坐骨神経が締めつけられて起きる殿部の痛み」を指す概念で、日本で流通している「梨状筋症候群」よりも広い枠組みです。締めつける可能性がある構造は、梨状筋だけではありません。線維性のバンド、他のお尻の筋肉、太もも裏のハムストリング、内閉鎖筋や双子筋の複合体、さらには血管の異常なども報告されています。
つまり、坐骨神経がお尻で締めつけられているといっても、「犯人」は一つとは限らないのです。「梨状筋をほぐせばいい」という単純な話ではありません。この総説は、丁寧なカウンセリングと身体の検査によって、坐骨神経がどこで締めつけられているかを絞り込めること、そして逆に原因の特定が遅れると痛みの感じ方が強まり、生活の質にまで影響していくことを指摘しています。
さらに、お尻側だけでなく、お腹側にある「腸腰筋」が関わっているケースもあります。腸腰筋は大腰筋と腸骨筋に分かれる筋肉で、坐骨神経に関わってくるのは主に大腰筋の側です。この大腰筋による腰の不調は、国際的にも「しばしば見逃される診断(a frequently missed diagnosis)」として報告されており、日本語ではほとんど語られません。実際、ある症例報告では、6ヶ月続いた腰の痛みが「体幹の筋力不足」と誤って片づけられていたものが、正しく大腰筋の問題と見極められ、オステオパシーの徒手療法と自宅ストレッチで改善に向かったと記されています。
「カーテン」で理解する、体のつながり
なぜ、お尻から遠く離れた場所が原因になるのか。私はよく「カーテン」の例えでお話しします。
窓のカーテンの右端にシワが寄っているとき、そのシワだけをいくら手で伸ばしても、すぐ元に戻ります。なぜなら、シワの原因は左端の引っかかり(固定部分)にあるからです。左端を直して初めて、右端のシワはきれいに消えます。
体の膜——筋膜やファシアと呼ばれる、筋肉や内臓を包む全身のつながり——も、これと同じです。たとえば過去の足首の捻挫でわずかに足の接地が崩れていると、歩くたびに重心が偏り、それを支えようとお尻の筋肉が過剰に働き続けます。また、長年のデスクワークで内臓まわりの膜が硬くなると、それが腰の骨を前へ引っ張り、結果として坐骨神経の出口を狭くしてしまうこともあります。
お尻に出ている痛みは「結果」であって、「原因」はお尻とは限らない。だから私たち整体の現場では、痛む場所だけでなく、全身のつながりを一枚のカーテンとして診ていくのです。
私が整体の現場で実際に見極めていること——腸腰筋・梨状筋・腰方形筋の優先順位

ここからは、ネイチャーボディ鍼灸整体院で、私が坐骨神経痛の方を実際にどう診ているのかをお話しします。一般論ではなく、現場でどこを見て、どう判断しているかの実際です。
まず「背骨側か、筋肉側か」を切り分ける
私が最初にすることは、先ほどの2つの切り分けです。画像で原因がはっきりしているケース(椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症・すべり症など)は、まず医療機関の判断が土台になります。ネイチャーボディ鍼灸整体院でも背骨のバランスを整える施術は行いますが、その前提として、画像で状態を確認していただくことをお願いしています。
そのうえで、画像で大きな問題が見つからないケース、あるいは画像所見はあっても手術を勧められていないケースでは、筋肉による締めつけの可能性を、手の感覚による検査(徒手療法の検査)で確かめていきます。
検査でチェックするのは主に3つの筋肉
筋肉性が疑われる場合、私が特にチェックするのは「腸腰筋(そのうち大腰筋)」「梨状筋」「腰方形筋」の3つです。
徒手療法の検査で、この3つを一つずつテストします。そして、どの筋肉の優先度(プライオリティ)が高いのかを判断します。3つすべてに施術が必要なケースもあれば、1つだけで十分なケースもあります。これは、実際に検査をすれば分かることです。
私が施術に入る前に必ず決めるのは、「どこを、どの順番でゆるめるか」です。ここを決めずに、痛むお尻をただ揉んでも、上流が変わらなければ同じ締めつけがかかり続けます。順番を間違えると、変わるものも変わりません。
この「上流・下流を見極める」という考え方は、坐骨神経痛に限りません。膝の痛みでも股関節の痛みでも、痛みが出ている関節だけを見ても原因は見つからず、その関節の上流(体幹側)と下流(足側)のどちらに問題があるかを見極める——これがネイチャーボディ鍼灸整体院の一貫した診方です。坐骨神経痛では、「背骨側か筋肉側か」「3つの筋肉のどれが優先か」という形で、この見極めが働きます。
背骨・肋骨・内臓まで含めて全身を診る
私は動画などでもお話ししているのですが、人間は背骨を中心に生きている脊椎動物です。脳からの命令は背骨を通って手足に伝わります。背骨のS字カーブには、生まれつきある「一次弯曲」と、成長とともにできる「二次弯曲」があり、多くの方は首と腰の二次弯曲にトラブルを抱えます。腰の骨がずれると、そこを通って足へ向かう神経が刺激され、坐骨神経痛のように足がしびれることがあります。
そして、その腰のずれは「腰のせい」だけで起きているとは限りません。背中(一次弯曲)の硬さが背景にあることも多く、さらに40歳を過ぎると、姿勢の崩れによって内臓が圧迫され、内臓を包む膜が腰を引っ張るケースも出てきます。だから私は、坐骨神経痛の方でも、お尻や腰だけでなく、背骨全体、必要なら肋骨や内臓まわりの膜の状態まで確認します。
お尻が「冷たく固まっている」方が多い
もう一つ、現場でよく感じるのは、坐骨神経痛の方はお尻が冷たく、固まっている方が多いということです。締めつけている筋肉のまわりは血流も悪くなっているため、触れると冷たさを感じます。この「お尻が冷え固まっている感じ」は、患者さんご自身も実感として持っていることが多く、大切なサインの一つとして見ています。
ネイチャーボディ鍼灸整体院では、骨格を矯正する専用のベッドを使い、痛みなく背骨のバランスを整えることができます。そのうえで、締めつけている筋肉に手技やストレッチ、必要であれば鍼灸を使ってアプローチし、血流を促していきます。鍼灸は、はり師・きゅう師という国家資格を持つからこそ扱える手段で、こり固まった深部の筋肉や血流に対して、手技とは違う角度から働きかけられます。
なぜ、他ではよくならなかったのか

「マッサージに通っても、その日はいいけどすぐ戻る」「湿布と痛み止めを続けても変わらない」——こうしたお声を、本当に数多く聞いてきました。ここには、いくつかの理由があります。
理由1:どこで締めつけられているかが特定されていない
病院や整形外科で行われるのは、コルセット、電気療法、湿布や痛み止めなどが中心です。これらは、つらい痛みをやわらげるために必要な処置です。ただ、痛みをやわらげることと、締めつけられている場所を見つけて解放することは、別の取り組みです。
どこで締めつけられているのかが特定されないまま、同じ対処を続けても、なかなか変わっていきません。これは整体でも同じで、原因を絞り込まずにお尻をほぐすだけでは、上流が残ったままになります。
理由2:神経を守るケアだけで、原因の場所が残っている
神経が圧迫されている場合、ブロック注射やお薬、ビタミン剤が用いられることがあります。これらは傷ついた神経の回復を支える、必要な処置です。ただ、筋肉の硬さが締めつけの一因になっている場合は、神経を守るだけでなく、その筋肉そのものをゆるめていかないと、回復が進みにくいのです。
固まった筋肉をゆるめるには、実際に伸ばしたり動かしたりすることが必要です。施術でほぐしたあと、ストレッチや体操で「再び固まらない状態」をつくる。ここまでやって、はじめて場所が変わります。
理由3:施術者が「学び続けているか」
ここは、私がいちばん強く思っていることです。日本では、坐骨神経痛をはじめとする不調が、良くならないまま長く放置されている方が少なくありません。その背景の一つに、施術者が学び続けているかどうか、という問題があると私は考えています。
痛い場所だけを見て揉む施術と、坐骨神経がどこで締めつけられているかを検査で絞り込み、上流から順番に整えていく施術とでは、結果が変わってきます。後者を行うには、解剖学や神経・筋膜の知識を、最新の研究まで含めて更新し続けなければなりません。
私は臨床21年、延べ16万回の施術に携わってきました。それでも、いえ、だからこそ、今もフランスの専門学校でオステオパシー(内臓や関節の動き、神経・筋膜のつながりに着目する、欧州で確立した国際基準の徒手療法)を学び続けています。臨床に立ち続けるなら、学び続けることは私にとってマストです。坐骨神経痛のように「原因の見極め」がすべてを左右する症状ほど、この積み重ねが差になって現れます。
慢性腰痛・関連症状における徒手療法と鍼灸の位置づけ
坐骨神経痛そのものを扱った研究は発展途上ですが、隣接する慢性腰痛の領域では、徒手療法と鍼灸の裏づけが積み上がっています。WHOが2023年に出した慢性腰痛のガイドラインでは、鍼灸と脊椎マニピュレーション(徒手療法)がともに推奨対象に含まれました。米国内科学会(ACP)の2017年ガイドラインでも、慢性腰痛の初回治療として推奨される非薬物療法に鍼治療が挙げられています。英国のNICEガイドラインは、徒手療法を「運動療法とセットで」推奨しており、施術だけでなくセルフケアを組み合わせることの大切さが、国際基準として示されています。
つまり、整体や鍼灸によるアプローチと、ストレッチ・体操などの運動を組み合わせて進めるのが、世界基準の考え方です。ネイチャーボディ鍼灸整体院が「施術で整える」と「固まらない状態をつくる」の両輪で進めているのは、この考え方と一致しています。
自宅でできる安全な対処と、やってはいけないこと

ここでは、坐骨神経痛の方がご自宅で気をつけられる、安全な対処をお伝えします。ただし、大前提として一つだけ、強くお願いしたいことがあります。
自己流の強いストレッチは、かえって硬くすることがある
お尻や太ももが硬いからと、自己流で強く伸ばそうとすると、かえって余計に硬くなってしまうことが多いのです。締めつけられて過敏になっている筋肉を無理に引っ張ると、体が防御反応を起こし、逆に緊張が高まります。「痛気持ちいい」を通り越して痛みが出るストレッチは、坐骨神経痛では逆効果になりやすいと考えてください。
安全にできる範囲のこと
1. お尻を「冷やさない・固めない」
先ほど、坐骨神経痛の方はお尻が冷たく固まっている方が多いとお話ししました。まずは冷やさないこと。デスクワークの合間に立ち上がる、湯船にしっかり浸かって温める、といった小さなことが、こわばりの予防になります。座りっぱなしを避け、こまめに立って歩くだけでも、締めつけへの負担は変わります。
2. 座り方を見直す
浅く腰かけて背もたれに寄りかかる「ずっこけ座り」は、骨盤が後ろに倒れ、お尻の一点に体重が集中します。坐骨(お尻の下のとがった骨)で座面を捉えるように、骨盤を立てて座るのを意識してみてください。長時間の運転や在宅ワークでは、30分に一度は立ち上がる習慣が助けになります。
3. 痛みの出ない範囲で、やさしく動かす
じっとして固めるより、痛みの出ない範囲で体を動かすほうが、多くの場合は回復に向かいます。ゆっくり歩く、軽く体を反らす・丸めるといった、痛気持ちいいの手前でとどめる動きが基本です。
ただし、ここまでのセルフケアは「その方の状態に合っているか」で効き方がまったく変わります。ネイチャーボディ鍼灸整体院では、検査で状態を確認したうえで、その方に合った、誰でもできる短時間のストレッチや体操をお伝えしています。同じストレッチでも、腸腰筋が優先の方と梨状筋が優先の方では、やるべき内容が違うからです。自己流で悩む前に、一度状態を見極めることをおすすめします。
こんなサインがあるときは、すぐに医療機関へ
坐骨神経痛の多くは整体や鍼灸で対応できる領域ですが、次のサインがある場合は、施術ではなく、まず医療機関(緊急時は救急)を受診してください。これらは神経が強く障害されている可能性を示すサインです。
- おしっこが出にくい/尿意を感じない/排便のコントロールが効かない
- お尻まわり(会陰部)の感覚が鈍い
- 両足に力が入らない、両足にしびれがある
- 足首や足の指が動かしにくい(つま先が上がらない)
- 突然の激しい痛み、安静にしていても強く痛む・夜間に強く痛む
- 発熱を伴う痛み、原因不明の急激な体重減少、症状が急に悪化した
特に、排尿・排便の障害や両足のしびれ・脱力は、馬尾(ばび)症候群という緊急性の高い状態のサインで、早い対応が必要です。これらは整体で様子を見てよいものではありません。迷ったら、まず整形外科などの医療機関へ。ネイチャーボディ鍼灸整体院でも、施術の範囲を超えると判断した場合は、正直に受診をおすすめしています。整体・鍼灸は、あくまで医師の診断・治療を補う補完医療の立場です。
「点」ではなく「構造」を——生涯、自分の足で歩くために

お尻のツボを押しても戻ってしまうのは、あなたのケアが足りないからでも、体が悪いからでもありません。坐骨神経痛が「点」ではなく「線」と「構造」の問題だから、というだけのことです。
坐骨神経痛は、原因が一つではない。だから、どこで締めつけられているのかを見極める。腸腰筋・梨状筋・腰方形筋のどれが優先なのかを検査で判断し、背骨のバランスから整え、上流から順番にゆるめ、最後に固まらない状態をつくる。この見極めと順番こそが、遠回りに見えて、いちばんの近道です。
私の曾祖父は宮大工でした。家は、基礎(骨盤)が傾けば柱(背骨)が歪み、中を走る配線(坐骨神経)に無理がかかって火花(痛み・しびれ)が散ります。坐骨神経痛を解決するとは、この生きた建築物を、土台から丁寧に整え直すことに他なりません。私は「治すのはあなたの体、私はそのお手伝いをする伴走者」だと考えています。
お尻のズキズキ、足のしびれは、あなたがこれまで頑張ってきた体からのサインです。もう一人で我慢しなくて大丈夫です。整体・鍼灸・そして学び続けているオステオパシーの知見を持って、あなたの体の「構造」を一緒に整えていきましょう。まずはその一歩を、私たちに預けてみませんか。坐骨神経痛の詳しい施術方針は症状ページにまとめていますので、あわせてご覧ください。ご相談やご予約は、LINE・お電話でお気軽にどうぞ。
この記事を書いた人
山﨑 由浩(やまざき よしひろ)/ネイチャーボディ鍼灸整体院 代表
はり師・きゅう師(国家資格)。臨床歴21年・延べ16万回の施術・青葉台での開業14年。日本と中国で東洋医学を21年実践してきました。
現在は、フランスの専門学校で国際基準の徒手療法であるオステオパシー(内臓や関節の動き、神経・筋膜のつながりに着目する手技体系)を学んでいる在学中です。国際ライセンス(D.O.)は未取得で、取得を目指して学び続けている段階です。
なぜ21年やった今も、わざわざフランスまで学びに行くのか。それは、日本の徒手療法がまだ国際基準に追いついていない領域があり、そのために良くならないまま放置されている患者さんが少なくないと感じているからです。臨床に立ち続けるなら、学び続けることはマスト——これが私の一貫した姿勢です。坐骨神経痛のように「原因をどこまで正確に見極められるか」で結果が変わる症状こそ、この積み重ねが問われると考えています。
「世界基準の徒手療法 × 日本が世界に誇る鍼灸」で、青葉台・横浜市青葉区の皆さまの、生涯自分の足で歩ける体づくりに伴走します。
参考文献
- Martin HD, Reddy M, Gómez-Hoyos J. Deep gluteal syndrome. J Hip Preserv Surg. 2015;2(2):99-107. PMID: 27011826
- Kizaki K, Uchida S, Shanmugaraj A, et al. Deep gluteal syndrome is defined as a non-discogenic sciatic nerve disorder with entrapment in the deep gluteal space: a systematic review. Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc. 2020;28(10):3354-3364. PMID: 32246173
- Tufo A, Desai GJ, Cox WJ. Psoas syndrome: a frequently missed diagnosis. J Am Osteopath Assoc. 2012;112(8):522-528. PMID: 22904251
- World Health Organization. WHO guideline for non-surgical management of chronic primary low back pain in adults in primary and community care settings. 2023.
- Qaseem A, Wilt TJ, McLean RM, et al. Noninvasive Treatments for Acute, Subacute, and Chronic Low Back Pain: A Clinical Practice Guideline From the American College of Physicians. Ann Intern Med. 2017. PMID: 28192789
- National Institute for Health and Care Excellence (NICE). Low back pain and sciatica in over 16s: assessment and management. NG59. 2016.
よくある質問(Q&A)
Q. 坐骨神経痛の施術は、何回くらい通えば変化を感じますか?
状態によって個人差はありますが、初回の検査で現在の状態を確認し、おおよその通院の目安をご説明します。ネイチャーボディ鍼灸整体院では「卒業」を目標にしており、卒業の目安は約1か月間、症状がなく良い状態を保てることです。慢性的なお悩みでは最初の数回を1〜2週間ごとに施術し、その後は状態に合わせて間隔を空けていくのが一般的です。締めつけている筋肉が腸腰筋・梨状筋・腰方形筋のどれが優先かによっても、進み方は変わります。
Q. 整体・鍼灸・オステオパシーは、坐骨神経痛に対して何が違うのですか?
どれも手で行う徒手療法という点は共通しますが、得意な角度が異なります。整体は主に背骨や骨盤のバランス、関節の動きを整えます。鍼灸は、こり固まった深部の筋肉や血流に、手技とは違う角度から働きかけられるのが強みで、はり師・きゅう師の国家資格が必要です。オステオパシーは内臓の動きや神経・筋膜のつながりまで含めて全身を一つのつながりとして捉える、国際基準の徒手療法です。ネイチャーボディ鍼灸整体院では、状態に応じてこれらを組み合わせます。
Q. ゴルフボールやテニスボールでお尻を押すセルフケアは続けても大丈夫ですか?
痛気持ちいいの手前で、短時間ならこわばりをゆるめる助けになりますが、強く長く押し込むのは避けてください。過敏になっている筋肉を強く刺激すると、体が防御反応を起こしてかえって硬くなることがあります。また、これは「今締めつけている筋肉」を一時的にゆるめるだけで、上流の原因には届きません。しびれが強まる、翌日に痛みが増すような場合はすぐ中止し、状態の見極めを受けることをおすすめします。
Q. 坐骨神経痛にはどのツボが効くと言われていますか?
お尻から足の神経の通り道に位置する「環跳(かんちょう)」「殷門(いんもん)」などが知られています。これらは機能的にみれば、筋肉のこわばりが反応として出やすい点、血流を促しやすい点にあたります。押すとその場は楽になりやすいのですが、坐骨神経痛の原因がツボの位置とは別の場所にある場合、点への刺激だけでは戻りやすいのが実際です。ツボを入口にしつつ、なぜそこが硬くなるのかという構造を見極めることが大切です。
Q. デスクワークが多いのですが、坐骨神経痛を悪化させない座り方はありますか?
浅く腰かけて背もたれに寄りかかる座り方は骨盤が後ろに倒れ、お尻の一点に体重が集中して締めつけを強めます。坐骨(お尻の下のとがった骨)で座面を捉え、骨盤を立てるのを意識してください。加えて、どんなに良い姿勢でも同じ姿勢が続けば筋肉は固まります。30分に一度は立ち上がって歩く、お尻を冷やさない、という習慣のほうが、座り方の完璧さより効果的なことが多いです。
Q. 病院で「異常なし」と言われました。整体で相談してよいのでしょうか?
はい、ご相談いただけます。実際に「検査で異常なしと言われた」という方は多くご来院されます。画像検査は主に「形の異常」を見るものですが、関節の動きが悪い、筋肉がうまく働いていない、体のバランスが崩れているといった「機能の異常(機能障害)」は画像には写りにくいものです。「異常なし」は、あなたの痛みが形ではなく機能の問題である可能性を示す、改善へのヒントとも言えます。
Q. 妊娠中の坐骨神経痛でも施術を受けられますか?
妊娠中のトラブルにも対応しています。妊娠に伴って骨盤や股関節、お尻から太ももにかけて痛みが出る方は少なくありません。体への負担が少ない、やさしい施術で対応します。ただし妊娠中は状態がデリケートですので、産科での経過を前提とし、時期や体調を丁寧に確認したうえで進めます。ご不安な点は事前にご相談ください。
Q. 坐骨神経痛は放っておくと自然に治りますか?
軽いこわばりが原因の場合、休養で楽になることもあります。ただ、背骨のずれや姿勢の崩れ、上流の筋肉の締めつけが背景にある場合、その原因は自然には整いにくく、締めつけが続くほど筋肉はさらに固まり、痛みの感じ方も強まりやすいと報告されています。ずっと痛い、繰り返す、しびれが広がるといった場合は、様子見よりも、どこで締めつけられているかを一度見極めることをおすすめします。
Q. 施術はバキバキ鳴らしたり、強く押したりしますか?痛いのが不安です。
バキバキ鳴らしたり、無理に強く押したりはしません。ネイチャーボディ鍼灸整体院は、体が受け入れてくれるやさしい力で、組織を一つひとつ丁寧にゆるめていく施術です。骨格の矯正には痛みの出にくい専用ベッドを使います。坐骨神経痛は過敏になっている神経が関わるため、強い刺激はかえって逆効果になりやすく、やさしいアプローチのほうが理にかなっています。
Q. 一度良くなった坐骨神経痛を、再発させないコツはありますか?
鍵は「固まらない状態を保つこと」です。締めつけていた筋肉や背骨が再び凝り固まると、坐骨神経痛は戻りやすくなります。ネイチャーボディ鍼灸整体院では、卒業後もその方に合った短時間のストレッチや体操をお伝えし、動きやすい状態を保てるようにしています。加えて、痛みがなくても関節の動きや体の使い方の癖は蓄積するため、1〜3か月に一度のメンテナンスを取り入れる方もいます。日常では、座りっぱなしを避け、お尻を冷やさないことが土台になります。
LINEでご相談・ご予約ができます
ネイチャーボディ鍼灸整体院は、東急田園都市線「青葉台」駅から徒歩6分。LINEでのご相談・ご予約を受け付けています。「自分の場合はどうなのか」というご質問だけでも構いません。(完全予約制/駐車場1台/平日10:00〜19:00・土曜10:00〜15:00/日曜・祝日休)







