鍼灸と整体の相乗効果について解説をして行きたいと思います。それぞれに特徴があり、得意な事、不得意な事がありますので、説明します。
整体ではカテゴリー別で捉えていく
整体では体の不調の原因に対して、必要な施術テクニックを選び、施術をしていきます。
原因には最低でも、
・背骨が原因の不調
・筋肉が原因の不調
・筋膜やファシア(膜)が原因の不調
・自律神経が原因の不調
4つの考え方があり(もっと数はありますが、分かりづらいので4つまでにします)それぞれが組み合わさって、体の不調を生んでます。
整体や鍼灸に来院される方であれば、一つで存在することは少なく、2つ以上が絡み合っている状態が多いです。
原因という部分から、カテゴリーに分け、原因へ向けて必要なテクニックでアプローチしていくのが整体です。
それぞれ触る部位や押す強さなどが違いますので、しっかりといた気持ちよく押されることもあれば、関節を伸ばしたり縮めたり、弱い力で皮膚を伸ばしてみたり、ゴリゴリ押してみたり、というように部位や強さはアプローチによって変わります。
大切なのは、人によって不調の原因は違いますので、改善に必要なテクニックを選択しているかどうか?です。いつも同じような施術をしているのであれば、改善に必要な施術を持っていない可能性もあります。
鍼灸では全体を俯瞰して捉えていく
鍼灸ではお体全体を俯瞰して捉えて、施術を組み立てていきます。
まずは全体的に元気なのかどうか?です。
食事も食べてれてるのか?などの大切な指標になります。
調子が悪くて食欲も無くなって
食べれていない
と
調子は悪いけど
食欲はあって食事は取れている
両者では、体の回復力は全く違います。
当然、これらは見た目にも影響を及ぼし、「元気な印象」で判断できます。
その人が発するエネルギーや色や、言葉に表せない世界も存在しますので、見える部分もですが、見えない部分も大切になってきます。
元気がある人で、夜もよく眠れている、食事も取れている
その上で背中に痛みがあるから、背中と足に鍼灸の施術をする。
というような流れで、全体的な印象から、体質を判断して、症状を捉え、鍼灸をする部位を決めていく。というステップで施術を組み立てていきます。
単に肩凝りだから、このツボに鍼を打つ。胃腸のツボにお灸を据える。という物ではないと、イメージをすると良いかと思います。
体全体の調子を良くしていくには、鍼灸をどこに施せば良いのか?という考え方に基づいて施術を進めてきます。
鍼灸はポイントでアプローチをしていく
お体を俯瞰して捉えた結果から、どんな鍼灸施術が必要かどうか?が決まります。
どのツボを使うのか?鍼の深さはどのくらいか?お灸は何回据えるのか?お灸ではなく、広範囲にあたためる方が良いのか?など判断をしていきます。
ツボの大きさは1ミリ単位の世界です。髪の毛よりも細い鍼を使用します。整体では指でのアプローチになりますので、指ので触れている部分が施術の対象になります。
鍼灸の方が技術的には感覚も技術力も必要になってきますので、施術者の育成が難しい世界になります。
鍼灸と整体の相乗効果で最短で改善へ
鍼灸も整体も体の不調を改善していくには、とても有効な施術です。
どちらが優れ、どちらが劣るということではなく、それぞれに得意な事、不得意な事が存在します。大切なのは、不調の原因を改善するには、どんな施術が必要なのか?になります。
骨が歪んでいるのが原因で不調になっていれば、鍼灸では骨を動かすことは難しいです。解決するには整体で骨を整えなければいけないです。
自律神経を整えるにであれば、整体で背骨を整えて、手足のツボへ鍼をすることが最も理想的ですし、
短期間で血流を改善して、怪我から復帰したいのであれば、整体に加えて鍼灸も使った方が良いです。
まれに「痛みが強くて早く良くしたいから、鍼をして欲しい」とご連絡を頂きますが、残念ですが実際に見ないと施術が決められないケースがほとんどです。
ギックリ腰でも鍼をした方が良いケースも、整体だけでの方が良いケースもあります。
なので、施術を指定するよりも施術者に判断を委ねて頂いた方が早く結果が出るケースが多いですので、安心してお任せいただければと思います。
お医者さんに「この術式で手術をしてください」ということはないと思います。
鍼灸も整体も組み合わせる場合は、相乗効果が大切ですので、あなたの体の不調の原因を解決していくためにベストな施術を組み立ててくれる施術者に出会えることを祈っております。